ペアローンはやめた方がいい？おすすめの支払い方法を解説

「ペアローンはやめた方がいい？」
「ペアローンを契約して、後悔しないか不安」

ペアローンに関するマイナスの意見を聞いて、契約するか迷っている方もいるかもしれません。ペアローンはデメリットもあり、夫婦によってはメリットを生かしきれない可能性があります。

この記事では、ペアローンのメリット・デメリット、夫婦別におすすめの住宅ローンの支払い方法を解説します。最後までお読みいただければ、ペアローンがご自身に向いているか分かり、ぴったりのローンを見つけられるでしょう。

ペアローンとは

ペアローンとは、ひとつの住宅に対して夫婦がそれぞれ住宅ローンを組むことです。すなわち、ひとつの住宅に対して、2本の住宅ローンを組んで支払っていきます。2人で住宅ローンを返済するため、住宅の名義は共有です。

団体信用生命保険（団信）も夫婦それぞれが加入し、互いに連帯保証人になって返済します。団体信用生命保険とは、返済中に契約者に万が一のことがあった場合、住宅ローンの支払いが0になる保険です。

2本のローンを契約するため、1本の住宅ローンに比べると、金融機関に支払う諸費用が2倍になります。

ペアローンのデメリットは、以下の通りです。

• 夫婦どちらかが退職すると支払いが難しい
• 離婚したときにトラブルになりやすい

それぞれ詳しく解説します。
夫婦どちらかが退職すると支払いが難しい
夫婦どちらかが退職しても、住宅ローンの支払いは残ります。そのため、一馬力で2本分の住宅ローンを支払い続ける必要があります。

夫婦2人が安定した収入を継続して得られる場合でなければ、ペアローンはおすすめできません。

また、退職すると所得がなくなるため、年末のローン残高0.7％所得税から免除される住宅ローン控除も利用できなくなります。
離婚したときに支払いのトラブルになりやすい
住宅ローン完済前に離婚すると、ローンの支払いや財産分与のトラブルになりやすい傾向があります。

夫婦のどちらかが住み続ける場合、住宅ローンを1本化しなければなりません。しかし、残りの住宅ローン残高に対して収入が不足し、1本化できない可能性があります。

売却して財産分与するとしても、残りの住宅ローン残高よりも低い金額でしか売れないかもしれません。売却資金を使っても、住宅ローン残高が残る場合は、自己資金で補填する必要があります。

ペアローンを利用するメリット

ペアローンを契約するメリットは、次の通りです。

• 夫婦それぞれが住宅ローン控除を利用できる
• 返済条件をそれぞれ変えられる

それぞれ詳しく解説します。

夫婦それぞれが住宅ローン控除を利用できる

住宅ローンを2本契約するため、夫婦それぞれが最大13年間にわたり住宅ローン控除を利用できます。住宅の種類ごとの借り入れ限度額と所得税の最大控除額は、次の通りです。

住宅ローン控除を利用するためには、床面積が50㎡以上、借り入れ期間が10年以上といった条件を満たさなければなりません。

返済条件をそれぞれ変えられる

夫婦それぞれ金利や返済金額などを変えられるため、ライフステージに沿った返済プランを立てやすいでしょう。

育休期間や子供の教育資金がかかる期間の返済負担を減らしたり、将来を考えてどちらかの返済期間を短く設定したりできます。

たとえば、4,000万円のローンを、夫2,500万円、妻1,500万円のように支払金額を調整できます。

タイプ別！住宅ローンの支払い方法

ペアローンが向いているかどうか、夫婦の収入によって異なります。タイプ別におすすめの住宅ローンの返済方法を紹介します。

【ペアローン】夫婦それぞれに安定した収入がある

夫婦それぞれに安定した収入があり、ご自身の収入だけでは購入金額を満たせない場合は、ペアローンが向いています。

1人で借りた場合、住宅ローン控除の借入限度額を越え、所得税の最大控除額を最大限生かしきれなくても、ペアローンを組めば控除金額をより活用できます。また、安定した収入を10年以上継続できる見込みがあれば、住宅ローン控除も最大限利用できるでしょう、

【収入合算・単独契約】収入に差がある夫婦

収入合算とは、住宅ローンの審査の際に、契約者の配偶者や親族などの一定の収入を合算して審査を受ける方法です。

世帯収入の8割が夫、2割がパートの妻のように夫婦の収入に差がある場合、ペアローンでは住宅ローン控除の恩恵を受けにくくなります。

収入に差がある場合は、収入合算で申し込むか、夫のみの契約として申し込む単独契約がおすすめです。

まとめ

ペアローンとは、ひとつの住宅に対して夫婦それぞれが住宅ローンを契約することです。ペアローンを契約すると、どちらかが仕事を退職したときの返済が難しく、離婚した時のトラブルになりやすいと言われています。

一方で、住宅ローン控除を夫婦それぞれが適用され、返済条件をそれぞれ変えられるメリットがあります。

ペアローンを検討するときは、将来のライフプランの変化を考え、無理のない返済計画となるか考えましょう。