住宅ローン控除を受けるために必要な書類

住宅ローン

住宅ローン控除を受けるためには、確定申告書や住宅借入金等特別控除額の計算明細書などさまざまな書類が必要です。

この記事では、住宅ローン控除を適用する際に必要な書類の種類や取得方法、さらに確定申告を行う際の留意点について詳しくご説明します。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、個人が住宅の新築、購入、または改修に住宅ローンを用いた際に、その年末の住宅ローンの残高の0.7%を所得税から差し引ける制度です。この制度は正式には「住宅借入金等特別控除」と呼ばれ、一般には住宅ローン減税として知られています。

この控除を受けることができるのは、2025年12月31日までに該当する住宅に入居したケースに限り、控除できる期間は新築の場合最大で13年、既存住宅の改修の場合は最大10年です。

控除を適用するためには、返済期間が10年以上の住宅ローンを利用し、その住宅に実際に住むことなど、特定の基準をクリアする必要があります。

2022年の税制改正により、新築住宅に対する基準が変更されました。以前は、環境に優しい住宅にはより高い借入限度額が設定される優遇がありましたが、2024年1月1日以降に建築確認を受けた新築住宅や、2025年6月30日以降に建築された住宅は、省エネ基準を満たさない場合、住宅ローン控除の対象外となるため、注意が必要です。

住宅ローン控除に必要な書類


住宅ローン控除を受ける際には以下の書類が必要です。

  • 確定申告書
  • 本人確認書類の写し
  • 源泉徴収票
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅ローンの年末残高等証明書
  • 土地・建物の登記事項証明書(原本)
  • 土地・建物の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
  • 補助金の金額を証明する公式文書(原本)
  • 住宅取得等資金の贈与の特例の金額を証する書類(写し)

詳しく解説していきます。

確定申告書

個人の確定申告とは、前年の1月1日から12月31日の期間に獲得した所得から適切な控除を差し引いて、所得税やその他の税金を算出し、税務署に報告するプロセスです。この計算過程で必要となる全ての情報を詳細に記載する文書が確定申告書になります。
以前は確定申告にはA様式とB様式の2つの様式が存在しましたが、2023年度の確定申告からはA様式がなくなり、B様式のみ使用されるようになりました。確定申告書は税務署や市役所などで手に入れることができ、また、国税庁のウェブサイトからもダウンロードすることが可能です。

本人確認書類の写し

マイナンバーカードまたは通知カードのいずれかのコピーが必要です。もしマイナンバーカードを持っていない場合は、通知カードのコピーに加えて運転免許証やパスポートなど、本人を証明する書類も必要です。

本人を証明する書類は、マイナンバーが記載された住民票や、その記載事項の証明書を使っても良いでしょう。これらの書類は、お住まいの市町村の役所で取得可能です。

源泉徴収票

給与所得者や会社員の方は、給与の詳細を確定申告書に記入するために源泉徴収票が必要です。

この書類は税務署に提出する必要はありませんが、確定申告書の作成には欠かせません。源泉徴収票をなくしてしまった場合は、働いている職場で再発行を依頼しましょう。

住宅借入金等特別控除額の計算明細書

特定増改築などに適用される住宅ローン控除を申請する際には、「特定増改築等の住宅借入金等特別控除額の計算明細書」が必要です。この書類には、対象住宅の購入価格や広さ、年末時点でのローン残高などを記載します。記入にあたっては、不動産の売買契約書や登記情報が記載された証明書などが役立ちます。

もし住宅ローンが連帯債務である場合は、その年末残高を示す計算明細書を別途準備する必要があります。
これらの文書は、国税庁のウェブサイトからダウンロード可能で、地元の税務署からも取得や郵送依頼ができます。

住宅ローンの年末残高等証明書

年末時点での住宅ローンの残高を示す「年末残高等証明書」は、ローンを組んでいる金融機関から発行され、自動的に送付される書類です。もし複数の金融機関から借入れをしている場合は、それぞれからの証明書が必要になります。

通常、この証明書は自分で申請する必要はありませんが、年末を過ぎても手元に届かない場合は、念のため金融機関に確認すると安心です。

土地・建物の登記事項証明書(原本)

登記事項証明書、別名登記簿とは、不動産の位置、面積、所有者の情報や住宅ローンの情報など、不動産の権利関係を示す公的な書類です。この証明書は、日本全国の法務局の窓口で取得可能であり、郵便やインターネットを通じても申請できます。
ただし、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に不動産番号を記入することで、この証明書の提出を省略することができます。

土地・建物の不動産売買契約書(請負契約書)の写し

確定申告における住宅ローン控除を申請する際には、不動産取引の詳細を示す売買契約書の写しを提出する必要があります。これには、不動産を購入した日付や取得価格などの情報が含まれます。

具体的には、土地の売買契約書と、建物の建設についての工事請負契約書の両方のコピーが必要です。
これらの契約書は、不動産の購入や建物の建設を依頼した際に関わった不動産業者や建設業者から入手することができます。

補助金の金額を証明する公式文書(原本)

補助金の金額を証明する文書とは、補助金決定通知書のことです。国や地方自治体が発行し、受給者の自宅に郵送されます。

住宅取得等資金の贈与の特例の金額を証する書類(写し)

住宅取得資金の贈与に関して贈与税の非課税枠や相続時精算課税の特例を適用した場合、受けた贈与金額を確認するために贈与税申告書のコピーが必要です。

この申告書のコピーは、贈与税の申告時に受け取ります。もしコピーを紛失した場合は、所轄の税務署に開示請求を行うことで再発行を受けることができます。

住宅ローン控除を受ける際の書類提出に関する留意点

会社員と個人事業主では、住宅ローン控除の確定申告における翌年以降の流れが異なります。書類の提出に関する要点と
手続き上の違いについて詳しく説明します。

年末調整を行っている会社員の場合

住宅を購入した翌年の1月1日から3月15日の間に確定申告を実施します。この手続きを完了すると、その年の10月ごろに税務署から「住宅借入金等特別控除申告書」を、11月の後半には金融機関から「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が郵送されます。

翌年以降は、これらの書類を職場に提出することで、年末調整を通じて住宅ローン控除を適用してもらえます。これにより、自分自身で確定申告を行う必要がなくなります。

個人事業主や年収が2,000万円を超える会社員の場合

個人事業主は年末調整を受けることができないため、毎年確定申告を行う必要があります。これには2年目以降も、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」と「年末残高証明書」が必要になります。一方で、年収が2,000万円を超える会社員は、その高収入のため年末調整を受けることができず、自ら確定申告を行う必要があります。

また、2022年以降に自宅を購入し、年間所得が2,000万円を超える人は、所得制限により住宅ローン控除を受ける資格がありません。

住宅ローン控除の必要書類の変更点や特に留意すべき事項


法改正に伴う住宅ローン控除の必要書類の変更点や特に留意すべき事項について説明します。

住民票の写しの添付は不要

以前、住宅ローン控除の際には住民票の提出が求められましたが、平成28年1月1日以降に居住を開始した住宅については、平成28年度の確定申告からマイナンバー制度が導入されたことにより、住民票の提出が不要になりました。

住宅借入金等特別控除申告書は12年分一括して送られてくる

初回の確定申告を完了すると、次年度から12年間使用する「住宅借入金等特別控除申告書」が一括で送付されます。これらは将来の年末調整で職場に提出する書類であるため、紛失しないように大切に保管することが重要です。

国税庁のウェブサイトを利用すると、確定申告書の作成が便利に

国税庁のオンライン「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、確定申告が手軽にできます。このシステムでは、画面の指示に従ってデータを入力するだけで、自動的に税金や控除額の計算が行われ、それが申告書に反映されます。これにより、確定申告書の作成が初めての方でも簡単に行えます。さらに、マイナンバーカードをお持ちの方は、この「確定申告書作成コーナー」を通じてスマートフォンから直接申告することも可能です。

参考:確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)|国税庁

ふるさと納税と住宅ローン控除を同時に利用できる

ふるさと納税と住宅ローン控除は同時に使うことができますが、ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用している方は、初回の確定申告で注意が必要です。

確定申告を行うと、ワンストップ特例制度の利用資格を失ってしまいます。そのため、確定申告では、ふるさと納税での全寄付額を申告して、寄附金控除を受ける必要があります。特に初回の確定申告では、この点に留意してふるさと納税分の寄付金控除を忘れずに申告しましょう。

ワンストップ特例制度を選んでいる会社員は、2年目からは年末調整で自動的に寄付金控除が適用されるため、確定申告をする必要はありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?この記事では、減税効果を享受するために住宅ローン控除を適用する際に必要なさまざまな書類についてご紹介しました。

住宅ローン控除は、住宅を購入しローンを組んだ際に利用できる、大変魅力的な節税策です。適切な書類を準備し、手続きを正しく行うことで、少しでも家計の負担を軽減することが可能です。

また、ふるさと納税との併用や、ワンストップ特例制度の適用にあたっての注意点など、確定申告をスムーズに進めるためのポイントも解説しました。住宅ローンを利用している方は、ぜひこの機会に住宅ローン控除の利用を検討し、賢く節税を行い、より豊かな生活を目指しましょう。

不動産のエキスパートに無料で相談してみませんか
不動産のエキスパートに無料で相談してみませんか

初めての不動産購入や売却など、不動産売買をトータルサポートします。
相続や資産処分など、法務・税務に関係する内容についてもお気軽にご相談ください。

不動産購入なら仲介手数料不要のリバリノ!
リバリノ物件一覧はこちらから

ピックアップ記事

関連記事一覧