丸・三角・四角、形がもたらす作用を生かす風水インテリア

癒しの空間

(フジワラユカ/コンテンポラリー風水コンサルタント)

風水において「形」はどのような意味合いがあるのでしょうか。
土地の形、間取りの形、家具の形、部屋に置くモノの形、など住空間に「形」は密接に関係しています。私たちが目にするものには「形」があり、その形をみることで何らかの感情を抱きます。その特徴により受け取る印象が様々ですから、その特徴や意味合いを理解することで普段目にする空間を自分に有利な環境にすることが可能です。今回は家選びやインテリアを選ぶときのヒントになる「形」のお話をしていきます。

五行が表すエレメントと形の関係性

陰陽五行が表す五行というのは自然界の循環をつくっている5つのエレメント。木・火・土・金・水の5要素です。自然のバランスの中にいることが、人間にとってもっとも心地よいという思想をもつ風水では、この5つのエレメントをバランスよく住空間に取り入れていくことを大切にしています。そして、「まる」「三角」「四角」もエレメントのシンボルになっています。

「まる」=金(金属)

丸い形が「金」(金属)と聞くと、コインをイメージするかもしれません。でもそうではありません。金属や鉱物は土の中でぎゅっと凝縮されて丸い形として生まれます。エネルギーが集まった形は丸い形なのです。お米や豆もそうですし、胎児も丸い形になっていますよね。エネルギーの源は丸い形。

「三角」=火(炎)

三角形は、燃え盛る「火」(炎)の形です。キャンプファイヤーを思い出すと三角形であることがわかりますよね。上昇していく炎のエネルギーは、名誉や成功のシンボルにもなっています。

「四角」=土(大地)

四角形は「土」=大地を表します。安定のシンボルです。地に足をつけたいときは、まるや三角のラグよりも四角形のラグを選ぶとよいなど応用できます。

間取りは素直な四角形が一番よい!その理由を解説

みなさんがもっとも重視するのは「間取り」や「土地」の形ではないかと思います。コストがかかるものですから、好ましいものを選びたいもの。おすすめは四角い間取り。ここは奇を衒わないほうが安全だと思います。
 

  1. 四角い間取りは人生の幸せの側面すべてにアクセスしやすい
  2. 丸い間取りは長く住むには不向き
  3. 三角の間取りは陰の氣がこもりやすくそもそも機能的ではない

以下に説明していきます。

1.四角い間取りは人生の幸せの側面すべてにアクセスしやすい

長方形や正方形など、欠けのない四角に近い形の間取りは、風水のバグアマップ(居住空間を観る風水ツール。古代中国で始まった易経の八卦の8つのテーマが配置されている)を当てはめてみたとき、人生で経験すべき8つのテーマすべてにアクセスできる空間に恵まれています。できるだけ欠けがない素直な四角形の間取りは利が大きいと言えます。ただし、欠けがあってもその欠けを補い、よい氣に恵まれる方法は複数ありますので、心配しすぎることはありません。

2.丸い間取りは長く住むには不向き

丸い間取りの家屋は世界を見渡してみるとありますよ。モンゴルの円形住居ゲル(中国語ではパオ)や、カナダやグリーンランドなど北極海沿岸に住むイヌイットの人たちの雪の住居イグルーも円形です。かまくらのようなドーム状になっています。気候に合わせた家屋のデザインであることはもちろんですが、共通するのは「移動して生活する」ということ。丸い家は定住するよりも移動しやすい家屋の形状だと言えます。これは、丸い間取りの鉄筋の家に引っ越したときにも「長く落ち着いて暮らせる感じがしない」といったフィーリングが起こる可能性があるということ。以前私は中国で、パオで生活する民族の家を訪問し、日本でもパオに泊まったことがありますが、移動しやすいシンプルな作りですが室内はとても彩りがあり、暮らしの温かい匂いがありました。これからはリモート生活の一つとして時々丸い住居に住みたい人が増えてくるかもしれませんね。

3.三角の間取りは陰の氣がこもりやすく、そもそも機能的ではない

三角の間取りは、少し変わっていて刺激的かもしれませんが、快適な暮らしをしたい人は避けたほうがよいでしょう。その理由は、鋭角のコーナーに向かって立ってみるとわかるのですが、精神的に不安定な気持ちになりやすい空間だと思います。また鋭角の空間には陰の気がこもりやすいため、室内に気持ちのよい健康的な氣の循環を作ることが難しいのです。そもそも家具を配置しづらいというのもネックですよね。繰り返しになりますが、間取り選びは奇抜さを優先しないほうがよいでしょう。室内のインテリアで個性を出す方法はいくらでもありますから。

丸いテーブルはカジュアル、四角いテーブルはフォーマルな雰囲気を生む

最後にテーブルの形についても家具選びのヒントにしてみてください。丸いテーブルは座る人の人数を規定しないので集まりやすく、対話の方向もありません。そのため気軽なコミュニケーションが生まれやすい形状です。一方、四角いテーブルは丸いテーブルよりもフォーマルなコミュニケーションに向いています。また、勉強や仕事など集中したいときには四角い机のほうが向いていることもわかっています。
ただし、長い時間集中することがよいとは限りませんし、フォーマルであればよい商談ができるとも限りません。アメリカのシリコンバレーでは、丸いテーブルの前でコーヒーを飲みながら短時間でよいアイデア出しをする風景がトレンディです。大事なことは、テーブルの形一つとっても工夫の余地があるということ。お子さんに勉強に集中してほしいからといって巨大な四角い机を購入するのはナンセンス。四角い机と丸い机、どちらもシンプルなものでよいので、気軽に学べる環境を複数作る試みをするほうが得策かもしれません。

いかがでしたでしょうか。
暮らしの中の「形」を面白く感じていただけたら嬉しいです。

(風水コンサルタント フジワラユカ)

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