家具のレイアウトが住む人に恩恵をもたらす「力の座」の作り方

ライフステージ

(フジワラユカ/コンテンポラリー風水コンサルタント)

家の中には様々な家具があると思います。部屋のレイアウトを考えるとき、大きな棚や洋服ダンスの配置から考えがちですが、幸せな部屋を手にいれるためにはもっと優先すべきことがあることをご存知でしょうか。
収納家具より優先すべきなのは、私たちが長く過ごす空間に不可欠な家具です。私たちはつい「モノ」を収納する家具の場所を優先し、「人」の居場所のことを後回しにしてしまいます。よく考えてみるとおかしなことですよね。住む人の住み心地を何より優先しましょう。今回お伝えする「力の座」というのは、西洋ではThe Seat of Powerと呼び、人間に利益をもたらす座位をあらわした風水の原理の一つです。模様替えやお引越しをされる際のヒントにしてみてください。

「居心地が悪い」「居場所がない」と感じるとき、それは「力の座」がとれていないから?!

中国発祥の風水は、当初は亡くなった人のための住まい、つまりお墓の場所として最適な環境を見定めるために発展しました。どのような場所かというと、安全安心で、風雨から守られ、見晴らしが良い場所。それが「力の座」として王様や権力者の住まいに生かされ、今は世界中の風水に引き継がれています。

コロナ禍で在宅時間が増える中、「居心地が悪い」「居場所がない」という声が多く聞かれるようになりましたが、その原因は「力の座」がとれていないことにあるかもしれません。家の中には住む人がリラックスしたり、集中したり、暮らしに充実感を与える空間にするように整えていきたいのですが、そうなっていない場合も多くあります。その原因の一つに家具のレイアウトの優先順位が違っているということがあります。よいポジションを人ではなく所有するモノにとられていたらもったいないこと。大きな棚や洋服ダンス、積まれた荷物などに「力の座」を奪われていないか、一緒に確認してみましょう。

最初にベストな配置を決めたいのは「寝る位置」と「座る位置」

暮らしの充実は人生の豊かさとつながっています。長い時間すごす空間に「力の座」をつくります。ベッドの配置、リビング・ダイニングのソファや椅子の配置、勉強部屋や書斎などのレイアウトは大変重要です。

  1. 寝室の「力の座」の配置
  2. リビング・ダイニングの「力の座」の配置
  3. 書斎や勉強部屋の「力の座」の配置

順に説明していきます。

寝室の「力の座」の配置

寝ている時間は人生の1/3です。寝室にするお部屋では、最初にベッド(ふとん)の配置を決めていきましょう。寝るときに頭の位置がしっかりとした壁に向いていることが理想的です。この配置がもっとも頭が守られる「力の座」になります。ベッドであればヘッドボードをつけるようにします。その時、入り口から遠いところに頭の位置がくることが望ましく、足がドアに正対しないようにします。頭の位置も足の向きも、出入り口の落ち着かない影響を受けないことが重要です。頭の位置がしっかりとした壁についていて、入り口が見渡せる位置がベストです。大人であればさらにベッドの左右に空間をつくることで、対等で豊かなパートナーシップの運気を高めることができます。

頭の位置に窓が来てしまう場合は、カーテンかロールスクリーンでしっかり遮断し、就寝時に窓からの外気や騒音をシャットアウトできていれば問題ありません。

リビング・ダイニングの「力の座」の配置

次にリビング・ダイニングです。リビングのソファやダイニングの椅子は、座った際に、背後にできるだけ人が通らないこと、また、風の通り口にあたらないことを留意して配置します。背もたれの後ろに壁がある配置はベッドと同様に安心感が高まります。ソファは、壁と背もたれの間に植物やフロアライトなどを配置することも効果的ですので、ぴったり壁に押し付けて配置しなくてもよいと思います。座ってみたとき、背後が落ち着かない感じがないかをチェックしてみてください。

また、椅子を選ぶ際、背あてがしっかりあるものを選ぶとよいでしょう。壁の代わりに背面を守る役割を担うため、安心して集中できる環境に近づけることができます。椅子の背面が柵状になっている場合は、エネルギーが逃げてしまいやや不安定な座位になるため、好みのクッションやブランケットで背中の面を覆うと、居心地を高めることができます。

書斎や勉強部屋の「力の座」の配置

最後は、仕事や勉強をする部屋の机と椅子の配置です。無意識に机の配置を先に考えてしまい、壁に机をはりつけがちですが、ここは椅子を優先してください。「力の座」は、座った際、背後にしっかりとした壁があり、かつ、入り口が見渡せる位置です。スタンダードな洋室で、窓が一つ、クローゼットが一つあるお部屋であれば、「力の座」の候補は2つくらいあると思います。子ども部屋などでベッドと勉強机を一緒のお部屋に入れる場合は、ベッドを優先し、残りのスペースで座る位置のベターなポジションを探してみてください。「力の座」を優先して考えると、必ずしも机は大きなものである必要はなく、フレキシブルに向きを変えられるようなものが有利です。その代わり椅子は背あてがしっかりしたものを選んでみてください。

いかがでしたでしょうか。
今回は長い時間をすごす部屋の居心地や充実感を高め、パワフルなエネルギーとつながりやすい「力の座」のレイアウトについてご紹介しました。利益の多い家具の配置、賢い家具選びの参考にしていただけましたら幸いです。

(風水コンサルタント フジワラユカ)

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