自立した子を育てるために親が心がけたい5つのこと。

子育て快適術

(フジワラユカ/コンテンポラリー風水コンサルタント)

文部科学省の「子どもの育ちの現状」というレポートの中に、近年の幼児の育ちについて「基本的な生活習慣や態度が身に付いていない」という指摘がありました。現代の子どもたちが育つ環境は多くの情報に囲まれているため世の中に対する「知識」は増えているものの、“受け身”なものが多く、意欲や関心に結びつきにくいという指摘もありました。子どもの自立や成長には“能動的”に「経験できる」「実践できる」ことが重要だとわかります。

子育て環境の一番はなんといっても家庭。家の中の環境と言えます。私は風水のコンサルタントである以前に約18年、幼児教育や子育ての領域で仕事をしてきました。今回はそうした知見も踏まえながら「自立した子」を育てるために、どのようなことを心掛けて実践すればよいか、行動につながるヒントをわかりやすくお伝えしていきたいと思います。

子どもの自立を阻害するリスクがある?!「過保護」と「過干渉」の違いって?

子どもへの愛情があるからこそ、ついつい口出ししてしまう…。そんな声を良く聞きます。過保護や過干渉の親御さんが増えている背景には、子どもたちの進路を決める教育の選択肢が増えたことや、いじめやネット犯罪など子育ての不安が増えたこともあると思います。ただし、いきすぎは子どもの自立を阻害するリスクにもなります。実はこの二つの言葉、似たような場面で使われますが意味は違います。

「過保護」とは子どもを必要以上にいたわって育てること。
「過干渉」とは必要以上に子どもに干渉すること。

「過保護」は子どもの関心に十分に応じようとする行為でもあり悪いことばかりではありません。『過保護のカホコ』というドラマがありましたが、この主人公は成人するまで自分で着る洋服さえ選んだことがないほど過保護な環境で育ちますが、愛情を受けて素直に育ったため周囲から愛される人物として描かれていました。先回りをして子どもが自分でやろうとすることに手を貸しすぎるのはよくありませんが、子どもをいたわりながら育てる・見守ることはとても良いことだと思います。

一方、「過干渉」は子どもがやろうとすることを先回りしてやってしまうこと。これは子どもの自発性の芽をつぶしてしまいます。子どもを自分で考え行動できる人間に育てたいなら、口出し手出しはかえってマイナスになります。子どもをコントロールするのではなく、自立した人間として小さいうちから尊重し見守ることが必要です。とはいえ日々の子育ては理屈ではないので実際には難しい…という方には、時々「近所の大人」になったつもりでお子さんと接してみることをおすすめします。違う誰かになって演じてみると、冷静な気持ちや客観的な視点が生まれ、お子さんへの関わり方に新しい発見があると思います。

「環境設定」と「習慣づくり」が肝心!子どもの自立を促す3つのプランとは?

子どもを自立した人間として育てていくにはどうしたらよいか?私は自宅における「環境設定」と「習慣づくり」が大切だと考えています。これはコンピューターでいえばOSのようなもの。優れたOSは仕事の効率性を高め、優れた成果物をもたらし、選択肢や可能性を広げてくれます。例をあげると、部屋にものが散らかっていないということも重要な「環境設定」になります。以下にあげる3つのプランは実践的であり、自宅を子育て力の高い空間にするためのヒントになります。

1.環境を先に準備する・自分のテリトリーをつくる

部屋(空間)にはそれぞれの機能や役割があることを明確にしていくことが一つめのプランです。赤ちゃん時代は家全体が赤ちゃん歓迎ムードに包まれますが、すべての空間が子どもの自由に使ってよいわけではありません。成長するにつれ、家族の団欒スペース、仕事や学習のスペース、夫婦のスペース(寝室)などがあることを子どもと共有していきましょう。

可能であれば乳幼児のうちに子ども部屋を決め、家具をいれて部屋を先に準備していくと、一人で眠れるようになる時期や一人で机に座る時期が早まり、自立が促されます。またリビングを子どもの遊び場にする場合、「子ども用のラグ」を敷くことで境界線が生まれ自分のテリトリーが定まります。テリトリーが定まると、安心感が増し、加えておもちゃの散らかりの抑止にもなります。一石二鳥ですね!ラグは動物や乗り物などお子さんが好きなモチーフで選ぶとよいでしょう。
また子ども部屋の有無に限らず、リビング・ダイニングは、多くのお子さんの勉強場所になっています。学びの空間の選択肢が増えることは歓迎すべきこと。リビングの一角に、大人も子どもも活用できるワークスペースを準備しておくことも良い環境設定になります。

2.4歳前後から実践したい「おかたづけ」の習慣

おかたづけを教えるのに最適な時期は4歳前後と言われています。まずは子ども用の整理ダンスや収納ボックスを用意しましょう。ブロック類、人形類、お絵描きグッズ類など、種類で分類して引き出しに収納するようにします。引き出しやボックスに絵でラベルを貼ると認識しやすくなりますよ。
次に声がけです。大事なおもちゃが家に帰る時間を設定します。夕方の5時など決めて、「お友だちもお家に帰る時間だから、お人形たちもお家に帰してあげよう」と伝えましょう。ものにはすべて帰る場所があることを繰り返し伝えていくと、おもちゃに限らずものを散らかすことがなくなっていきます。こうした習慣づけにより、ものを大事にすることも学んでいくことができます。

3.「部屋を整える」習慣は「自分で選ぶ」経験から

自分の部屋を自分で掃除し、不用品があれば手放し、今の自分に必要な持ち物を所有し、それらがアクセスしやすい状態をつくり、部屋には自分の個性や好きなものを表現し、居心地の良い居場所を確保できている状態は、目指したいゴール。部屋を整える能力や技術は、自分の人生を豊かにできる能力・技術でもあります。そして、その力は子どもが「自分で選ぶ」経験の積み重ねにより豊かに培われていきます。成長するたびにものは増えていきますので、もう手放してよいものは何かを一緒に考え子どもに決めてもらう、子ども部屋のインテリアはいくつかの選択肢を提示してどちらがよいかを選んでもらう、クローゼットのハンガーの色を選んでもらうなど。自分で決めたという小さな経験をたくさん積み重ねていきましょう。こうした経験の貯金は大きな財産になること間違いなしです。

7割の子はリビングで勉強している!子ども部屋は必要?それとも不要?

数年前に「頭の良い子はリビングで勉強している」という内容の本や情報が話題になり、子どもの学びの場はリビングだと考える人が増えました。実際に約7割の子どもがリビングで勉強をしているというデータもあるようです。子どもとコミュニケーションがとれること、親がわからないところをサポートできることはリビング学習のメリットだと言えます。リビングに学びの空間をつくることは私も大賛成。学びの選択肢が多い方が勉強の機会が増えて有利だからです。
では、子ども部屋は不要でしょうか。そうではありません。だれにも一人になれる安全な空間が必要です。とりわけ思春期には親と分離した自己の世界が広がっていきます。自分自身と向き合ったり考えたりできる「一人になれる個室」はむしろあった方が良いと思います。そしてその部屋は大きすぎる必要はありません。ご家族のライフステージに応じて住処を変えていくことは大変ですが「先に準備する」ことは風水の恩恵も大きく有益です。

いかがでしたか。環境設定と習慣づけができると、部屋自体が子育ての味方になってくれますよ。現在子育て中の人やこれから子育てにのぞまれる人のヒントになりましたら幸いです。

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