猛暑の夏、自宅で涼しく過ごす効果的な風水の知恵

春夏秋冬の生活

(フジワラユカ/コンテンポラリー風水コンサルタント)

気象庁の3ヶ月予報によれば、2021年の夏は全国的に平年並みか気温がやや高めになるとのこと、猛暑がまた来るのかと思うと気持ちが萎えそうになりますね。加えてコロナ禍で、自宅で暑さをしのぐ時間が増える厳しい夏になりそうです。日本の夏は暑さだけなく、湿度の高さが不快さを生みます。これは家にとっても大きな課題になっていますが、じめじめとした空気がこもる空間は、悪い陰の気の温床となり、そこで暮らす人のエネルギーも奪っていきます。風水は風と水をしっかりコントロールすることでもありますので、余計な湿気を残さず、心地よい風の流れを作っていきましょう。

今回は、家の中を涼しく快適に保つ具体的な方法にも触れながら、夏場の風水を整える上で有効な策についてお伝えしていきたいと思います。

「風を通す」「余計な熱を入れない」の2つのポイントを押さえ、物理的な涼しさを得ながら家の風水も高めましょう

家の快適性は、当然のことながら、構造面にも影響していきます。たとえば、最上階のお部屋は、熱の影響を直接受けやすいため暑さが増します。また、コンクリート打ちっ放しの家はかっこよく見えますが、湿気がこもりやすくカビなどの課題が出やすいとも言います。窓が一面に偏在している間取りでは、風の通りが悪くなりがちです。家の構造、間取りには長所も短所もあると思いますが、どのようなお宅であってもより良くする方法はありますのでご安心ください。

「風を通す」「余計な熱を入れない」ために以下の3点を確認してみてください。

  1. エアコンと扇風機の配置の知恵で涼しい風の通り道をつくる
  2. 熱を遮断するブラインドやスクリーンの賢い起用
  3. エアコンのお掃除で清潔と涼しさアップを手にいれる

1.エアコンと扇風機の配置の知恵で涼しい風の通り道をつくる

まずはエアコンの位置を確認します。涼しい風が通る好ましい循環を作るため、エアコンと対角線上に扇風機やファンを置き、室内に向けて風を流してみましょう。エアコンから離れた位置から送風することで、涼しい風がすばやく循環しやすくなります。

次に、朝夕など涼しい時間帯には、窓をあけてフレッシュな外気を室内に取り入れていきます。その場合は、扇風機やファンを開けた窓を背にして室内に向けて風を送ります。この方法は自然の空気を入れ替える方法として健康的であり、風水においても有効ですが、感染対策にもなるためとりわけおすすめです。

2.熱を遮断するブラインドやスクリーンの賢い起用

窓や網戸に貼るタイプの遮熱素材のシートや、遮光や遮熱カーテンなど、暑さ対策の商品も多種多様に出回っています。この時、暑さ対策にはなるけれど、室内の障害物になったり、窓の開閉を困難にしたりしないか確認してください。暑さ対策を優先するあまり、家の機能の障害になることや、大げさすぎて美しさに欠ける景観にしてしまうのは得策ではありません。

最近私が注目するものの中に、ハニカム構造のブラインドやヘンプなど天然素材のカーテンがあります。ハニカム構造はまさしく蜂が生み出した美しい六角形の構造。夏は外部からの熱を防ぎ、冬は室内からの熱を逃さないという自然界の知恵を生かした発明品です。ヘンプ素材の布も吸湿性と通気性がとてもよく、自然素材ゆえの心地よさ、美しいパワーを得ることができます。どちらも大げさにならずインテリアとしても美しく取り入れやすいアイテムです。

3.エアコンのお掃除で清潔と涼しさアップを手にいれる

最後は言わずもがなですが、エアコン内部の汚れを取り除くことは快適さを得るための最も早道かもしれません。フィルター、フィン、ファン、室外機など見えないところに汚れやつまりが生じていては美しい風の循環をつくることができません。年に一度プロにお掃除をお願いするのも一考です。家のほころびは我が身のほころびにもつながっていきます。つまりや汚れがすっきりすると、意識や事象のつまりや淀みからも解放されるかもしれません。

五感で味わえる、日本の優れた「涼」の演出は、風水行動にもつながっています

日本の夏といえば暑さだけではなく、涼む豊かさもありますよね。風鈴に蚊取り線香、い草の香りただよう縁側、冷えた麦茶、スイカ、素麺…。私は晩夏のひぐらしの音色も大変美しく感じます。五感に訴える日本の優れた「涼」の演出は風水の観点からもとても好ましいものですので、ぜひ真似てみてください。

  1. 打ち水
  2. 風鈴
  3. い草のラグやゴザ
  4. 青いガラス小物

1.打ち水

玄関は氣の入り口。チリや汚れを流し、凛とした新しいエネルギーをもたらすために、打ち水をするという風習は風水を整える上でも大変利にかなっています。集合住宅の場合も、外廊下であれば打ち水はできますので、玄関をあけて、ドア周りに打ち水をしてみましょう。暑さでアスファルトは乾燥し、1日経過すると疲れ果てた氣になってしまいますので、朝の打ち水はその日をリフレッシュする効果をもたらすでしょう。それは空間のリフレッシュだけでなく、深い意識のリフレッシュにもつながります。放射冷却の作用もありますから、夏場の打ち水はやらない手はありません。私はついでに玄関先の拭き掃除まで行いますが、玄関周りの水拭きはことさらおすすめです。

2.風鈴

チリンチリン、と不定期に耳をかすめていく風鈴の音色はとても心地よいものです。風の揺らぎが一定ではないゆえ、私たちは風鈴を通じて自然の恩恵を受け取ることができます。その場を浄化するような風鈴の響きや振動は、空間の滞りをはらい、エネルギーの高い空間を作ってくれます。風鈴を下げる場所は風が強すぎても無風でもなく、心地よく風鈴としての役割が果たせる場所に下げるようにします。室内の窓辺も選択肢の一つになります。

「風」は財運を高めるシンボルでもあります。風鈴だけでなく、うちわ、ファン、エアコンなども。決して強風を吹かせればお金が儲かるということではなく、風鈴が示してくれる快適な音色から自然の風の流れを感じて味わえるような空間を目指すのがよいでしょう。

3.い草のラグやゴザ

夏の香りとして思いつくものに、い草の香り、そして蚊取り線香の香りがあります。どちらも夏の「涼」を五感で感じる風水ツールになります。とくにい草の香りは、強烈に夏を感じさせてくれますよね。自然素材のい草のラグや枕、ゴザの上でゴロンとお昼寝する時間というのは豊かです。い草のラグやゴザは経年変化した畳と違って「若々しい」香りがしますよね。これがとても重要です。畳は新しいうちは緑色で良い香りがしますが、時間がたつと香らなくなり、乾いた印象になります。時間の経過した畳は「土」の要素として機能するのですが、グリーンのフレッシュな香りを放つ畳やい草マットは「木」の要素に分類され、健康や若々しさに作用します。暑い夏に乾いた色が多いと、砂漠の中にいるような感覚を助長するので、い草のマット、ゴザなどを用いると自然な「涼」が得られやすといえます。

4.青いガラス小物

最後は視覚的な「涼」です。乾いた色(ベージュ系)が多いと実際に喉が乾きます。そのため、ハッと目をひくような青のアイテムを配するとそれが小さなものであっても「涼」をもたらしてくれます。砂漠の中でオアシスをみつけたような感覚をイメージしてみてください。効果的な演出になりますよね。
青いガラスの器、ガラスのオブジェはことさら「ひんやりした水」のイメージに合致するアイテムだと思います。琉球ガラス、江戸切子、ベネチアングラスなど、お好きなブルーのガラス製品を探してみるのも楽しいと思います。私は琉球ガラスのブルーがとても好きです。また、ブルーボトルを水差しに使うのもおすすめです。手軽に手に入りますし、キッチンに並べていても絵になるブルーのアイテムになると思います。

いかがでしたでしょうか。
涼しい空間をつくる工夫はいろいろありますね。ご自宅の風水を整え、よい氣で満たすための「涼」の演出で暑い夏を快適にお過ごしになってください。

(風水コンサルタント フジワラユカ)

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